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スプールのピンホール加工

スプールに小さな穴をあける

弊社製スプールにラインのスタート穴をあける加工を紹介します。
※耐腐食性が落ちますので、自己責任においてお願いします。※

当社製の浅溝スプールを組み込んだリールでキャストする時、場合によってはラインスタートの結び目がキャストに影響する場合がございます。
特に、ライン重量によるスプール全体の重量増加を防ぐため、ラインを必要最小限巻いた時などです。キャスト後、ラインのほとんどが放出されると、ライン巻き始めのために作った結び目が表面に現れて、放出されるラインが引っ掛かってしまうという現象です。
これを防ぐために、スプールに小さな穴をあけてラインを巻き始める事により、上記のような問題が完全に解消されますので、場合によってはかなり有効かと思います。

メリット
ラインをキャストに必要なギリギリの量まで減らせます。(バッキングラインを必要としない場合) その際、結び目によるキャスト時の問題を解消できます。

デメリット
ごく一部、アルマイトが剥がれてしまいますので、腐蝕される恐れがあります。 (特に海水で使用される時です) 

加工方法などについて

工具ですが、下記のような小さなドリルを用います。
写真上の大きなものがピンバイスです。下の細い針のようなものがドリルです。共にホームセンターなどで見つけることが出来ると思います。
ドリルは、精密ドリルのセットがお勧めです。

ピンバイスとドリル

ドリルの太さは0.3mm〜0.5mmくらいがよいでしょう。 使用するラインの太さに合わせて選択してください。
私の場合、加工が楽ということもあるので、0.5mmのドリルを使っています。
(細すぎると、ドリルが簡単に折れたりします)

2500C用のスプールに、0.5mmの穴をあけてみました。(写真中央付近です)
あまり力を入れすぎず、根気よく加工してみてください。
スプールの厚みが薄いので、しばらくすると貫通します。

穴をあける場所ですが、スプール内側にマグネットブレーキなどが無い場所がお勧めです。 写真のように端の方か、センターの壁の脇あたりがよいでしょう。 通したラインが、リールに干渉しないようにだけ気をつけて下さい。

穴があいたら、少しサイズの大きなドリルで簡単にバリ取り(面取り)をしておいた方がよいでしょう。 (ラインに傷がつきやすくなり、ラインが切れる可能性がありますので・・・) 可能であれば、穴の裏表共に処理して下さい。

スプールをフレームに組み込んだ時のことを考えて、レベルワインダーや、フレームにもあらかじめラインを通しておいて下さい。
色のついたラインを使ってみましたが、細いので分かりにくいかもしれません・・・・。
レベルワインダー ⇒ フレームの穴 ⇒ スプール という感じに糸を通しています。

ピンホールにラインを通し、裏で結び目を作ります。
ラインの太さに対して穴が大きい場合は、写真のようにラインを折り返して2重にして結んでみて下さい。
(写真は普通の玉結びですが、ラインを2重にしてエイトノットをするとすっぽ抜けにくく、丈夫なようです)

ハサミなどで、余分なラインを切り取り、少し引っぱって抜けないことを確認して下さい。
あとは組み込んで巻けばOKです。

巻始めですが、こんな感じになります。

さらに巻いてみたところです。
ラインは、ナイロンの4lbです。
出っぱりが全くできないので、ラインがスムーズに出ていきます。

穴加工したアルミ表面ですが、気になる場合はグリスを塗ったり、塗料を塗るなどしておけば少しは防錆効果があるかと思います。ときどきラインを外して確認してみて下さい。

強度的には、穴が非常に小さいために、特に気にする必要はないと思います。 ご不明な点などは、メール等でご相談下さい。