ご利用ガイド
IVCBの移植方法、マグネットブレーキ化の方法をご紹介します。
1)
IVCBの移植方法
ZX 3601 IVCB-4 です。
本体から、ハンドルユニットを外したところです。
スプールにはまっているブレーキアームのセットと、それを押さえるリングを外します。リングには、4箇所に開いた長穴の外側に“ツメ”ありますので、その中間のブレーキアームくらいの位置を持ち上げて外します。
リングは細くて弱いので、時間をかけて丁寧に作業をしてください。(非常に折れやすいです)
十分にお気を付けください。
また、外したときに、ブレーキアームを飛ばして紛失しないように準備して下さい。
リングが一部折れたとしても、うまく取り付け出来ればそのまま使用することも出来る場合もありますが、だめな場合はパーツをご購入下さい。
外すとこうなります。
リングの長穴部分の外側に、わずかに固定用のツメが見えるかと思います。
それが1周にわたり、4ヶ所あります。
スプールにはめたところです。
(スプールは1600用となります)
ブレーキアームは、スプールの内側に倒れないようになっていますか?
ブレーキがしっかり効き始めるように、アーム付け根に小さい丸い突起があり、それがスプール壁面にあたって外側に少し傾くようになります。
外側に傾いていることで、スプール回転時に遠心力でより外へ広がろうとしてブレーキが効く原理です。
ブレーキリングを、しっかりと奥まではめて下さい。
(スプールリムからは、少しリングがはみ出した状態で正しいです)
IVCBのブレーキで使用するには、後は元どおり組み立てればOKです。
2)
MAG化の方法(SX UltraMAGのブレーキ部品を使用します)
IVCBのブレーキは、奥に金属のディスクがあり、そこにブレーキブロックが押しつけられて、摩擦でブレーキが効く仕組みです。
マグネットブレーキは、ディスクの位置に磁石があり、スプールとの距離を変えるとこでブレーキ力を調整します。 ブレーキは非接触となります。
バネが見えますが、その先端に、ボールベアリングプラグという薄い樹脂製のキャップが付いています。
マイナスドライバーなどを用い、隙間にこじ入れて外します。
私の個体では、かなりきつい感じで、下手に力を入れると割ってしまいそうな感じでした。
ボールベアリングプラグにもツメが出ていて、それが円筒内面の溝に引っ掛かって止まっています。
ボールベアリングプラグ自体は回すことが出来ますので、位置を変えながら慎重に外してください。
何とか無事に外した状態です。
すぐ下の、バネは簡単に外れます。
バネと、ボールベアリングプラグの拡大写真です。
センターの+穴の先端延長上に、4ヶ所、ツメが出ています。
SX UltraMAG の時は、マグネシウムのダイキャストだった製か、逆にゆるくなって困ったのですが、今回は外しにくい感じですね。
おそらくボールベアリングプラグ自体は、同一部品だと思います。
その奥の、ブレーキディスクと、IVCBカムも外したところです。
円筒奥には、ボールベアリングと、さらに丸い銅板もありますが、それはあえて外さない方が無難です。
右側の2点が、外したIVCBのパーツです。
左側の4点が、MAG化するための純正部品と弊社のマグネットです(φ5x2mm、又はφ5x3mmがおすすめ)
マグネット(φ5mm×2mm、または3mm)を、マグネットホルダーに取り付けたところです。
裏側に、扇状のパーツが有り、それに磁力で磁石がくっついています。
磁石表面の磁極が交互になるように配置してください。
パーミングカップははずさなくてもうまくできる場合もありますが、IVCBダイヤル(MAGダイヤル)がずれる可能性が高いので、修正方法もご紹介します。
一番奥に、ネジがありますので、それをはずします。
その1本のネジで、パーミングカップが固定されています。
外すとこんな感じ。
本体の穴の脇には、クリック音を出すためのラチェットディスクがはめられています。オイルなどで張り付いているだけですのですぐに外せます。
パーミングカップには、ダイヤルと、その内側に音を出す板バネがあります。
バネは裏返すと音が出ませんので、組み立てて音がしなくなったら、その板バネを裏返して組み直してください。
(わざわざ全部分解しなくてもいいですが)
マグカムという部品を、まず入れます。
ギヤ側を下にして、円筒部分入れます。
その上に、マグネットホルダーのセットを入れます。
円筒部分に切りカキがあり、それをあわせてはめてください。
2箇所切りカキがあり、180度回転した場所でも取り付け出来ますが、基本的にはどちらでもいいと思います。
組み立てて、マグダイヤルを回したときに、スムーズに動かない(上下動)場合には、この部品を180度回した位置でもう一度組んでみてください。
さらに、外したバネ、ボールベアリングプラグなどを取り付けます。
(円筒奥に、ボールベアリングがありますが、それも入っていますか?)
ボールベアリングプラグでしっかり固定出来たら、裏返してください。
裏返しましたら写真のように、ダイヤルを乗せます。
ダイヤルを、反時計回りに回してください。
途中で引っ掛かってそれ以上回らない構造になっています。
さらに強く回すと、壊れますので気をつけてください。
上の写真を拡大した図です。
ダイヤル上に丸い穴があります。
反時計回りに回したとき、このような位置で止まったら、ダイヤルがずれていますので、位置を直します。
ダイヤルをそっと持ち上げて、ダイヤルの“1”の位置が穴に来るようにしてもう一度はめます。
こんな感じです。
ダイヤルの下には、バネやその他外したものを元どおり収めてください。
パーミングカップを、そっと乗せます。
その時、ambassadeur の文字の下にある▽マークを、ダイヤルの1の位置に合わせます。
そうすれば、ネジを止める穴の位置も、自然と合うはずです。
カップを押さえながら裏返し、外したネジをうまく入れてドライバーで固定します。
ネジの向きが変わりやすく、おそらく何度もネジを入れなおすことになるかと思いますが、カップが外れないように押さえながら作業して下さい。
MAG化して使用する場合は、もちろんスプールにはIVCBのブレーキアームやリングがない状態で使用して下さい。
純正スプールでも、Avail製スプールでも、いずれもマグネットブレーキ化して利用できます。
ブレーキ力が足りないときなどは3mmの厚みの磁石を使用して下さい。
磁石は、4ヶとも同じ厚みでそろえて下さい。
磁石を厚くすると、スプールに干渉するエリア(ダイヤルの調整範囲)が出てきます。そのエリアではご利用になれませんので、ご承知下さい。
本体に、ハンドルユニットを取り付けるときは、クラッチを指で持ち上げた状態にして組んで下さい。(ハンドル側のクラッチが切れている場合は下げておいて下さい)
また、レベルワインダーを駆動する樹脂製のギヤを破損することが多いので、必ずハンドルを回転させながら本体と組んで下さい。
分解、組立は、十分注意しながらお客さまの責任の下でおこなって下さい。
パーツの破損などについては、弊社では保証できませんので。